板藍根粉
■本原料について
板藍根はリュウキュウアイ(馬藍)、タイセイ(松藍)、ホソバタイセイの根のことです。
●中国では肝炎やインフルエンザ、耳下腺炎(おたふくカゼ)、扁桃腺炎などの治療に欠かせない生薬として大切にされています。
●かつて上海でA型肝炎が大流行した時、予防と治療に大活躍したこともあります。
●現在でも、B型・C型肝炎だけでなく、インフルエンザなどにもよく用いられています。
●インフルエンザウイルスA(およびB)に対する板藍根熱水抽出物の作用について調べました。その結果、板藍根はインフルエンザ抑制に役立つことが考えられました。
(参考)http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21774246
『臨床中医学概論』張瓏英 緑書房 1988.6.20第1刷発行の165頁
大青葉(だいせいよう)と板藍根(ばんらんこん)
性味:苦、寒。
帰経:心、胃経。
〔薬理作用〕大青葉は葉であり板藍根は同一植物の根である。
清熱、涼血、解毒作用がある。実験室ではチフス菌、溶血性連鎖状球菌、大腸菌、赤痢菌、黄色ブドウ状球菌に抑制作用が証明されている。
近年、ウイルス疾患に相当強力な効果が認められ注目されている。特に流行性耳下腺炎では、大青葉、板藍根単味の煎剤でよく効果をあげている。
中国では「板藍根錠剤」として一般に市販されている。
その他インフルエンザ、日本脳炎、麻疹、肝炎等にも有効であるとしばしば報告されている。
現在では、ウイルス疾患の治療に際し、欠かせない薬剤となっている。
〈大頭瘟の治療に用いる〉大頭瘟とは「大頭風」「大頭傷寒」とも呼ばれ、流行性の温毒が肺胃に侵入して発病する。頭や顔が赤く腫れ、ノドが腫膿し、激しい疼痛を特徴とする。
〈時疫斑疹〉流行性の熱病であり、瘟毒が血分に侵入し、営血分に熱積すると、発熱、口渇、頭痛、咽頭痛、鼻血、皮疹、舌縫紫暗となる。
現代医学でいうウイルス性流行病をさしていると思われ,本剤はその特効薬として用いられる。
〈咽喉腫痛〉風熱毒火が咽喉部を冒すと、発熱、頭痛、便秘、咽喉腫脹熱痛を起こす。本剤はこれによく対応する。
〔用量〕常用量は6~15g、重症には30gぐらい使う。
板藍根の常用量は4.5~9g、重症には15gぐらい用いる。
〔使用上の注意〕
・脾胃虚寒の者には慎重に用いる。
・両者とも、清熱、涼血、解毒の作用があるが、大青葉は板蘭根に比べ、涼血、解毒、化斑(皮疹を消失させる)に勝っている。
板藍根は、ノドの腫脹、疼痛、大頭瘟の治療に勝っている。特に流行性耳下腺炎には特効的である。また、肝炎にも有効であるという報告もある。